読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

コンテンツマーケティングで見込み客の心をつかむ方法

 

 

【コンテンツマーケティングで見込み客の心をつかむ方法】

見込み客との接点を生み出す自社メディアのケース・スタディ

正確にはBtoCではなくBtoBtoCの業態だからこそ、真にエンドユーザーを理解できているといえるのか――S社はこんな疑問を抱えていた。自社から直接エンドユーザーに商品を販売するわけではなく、間に流通や卸などいくつもの企業が入るためだ。

この疑問を発端として、同社S氏は「自社商品をいかに多く売るかではなく、まずはビール好きなファンと北海道を元気にする」目的で、HLを立ち上げた。会社のロゴも出さず、商品販売もしていないサイトだが、北海道が盛り上がればビールも売れるだろうと考えている」と立ち上げの経緯を振り返る。

コンテンツ制作は北海道在住のライター、カメラマンに依頼し、彼らが思う北海道の魅力、伝えたいものをアイデアとして出してもらい、形にする。運営・制作スタッフが東京と北海道で離れているわけだが、その物理的距離はどう埋めているのだろうか。

「先日は北海道で新年会を行うなど、ライター陣とは積極的にコミュニケーションの場を設けている。彼らが高いモチベーションを維持していると、コンテンツのアイデアも豊富に出てくる。離れていても良好な関係性を構築できていると感じている」(S氏)

レッドオーシャンな業界ともいえる生命保険業界。L生命は2008年開業の新しい企業だ。「開業時は認知がなくリスティング広告やリターゲティング広告などのネット広告に注力するくらいしか打ち手がなかった」とI氏。認知や集客の課題と向き合うために2014年8月に立ち上げたのが自社メディアだ。

「基本的に生命保険は結婚・出産・不動産購入など、ライフステージが変わるタイミングで検討する商品。日常生活で突然『保険に入ろう』と思い立つケースは少ない。自社メディアを運用する目的は、保険ニーズがまだ顕在化していない時点から接点を持つことにある。『L社はいいよね』と思ってもらい、いざ保険を検討するときに真っ先に弊社を思い浮かべてもらえば成功だ」(I氏)

顧客の約7割が2-30代であることから、ターゲットを30代に絞り、生活に役立ちそうな仕事や人生、お金に関わるコンテンツを提供している。週2回2〜3本ずつ新規のコンテンツを配信。立ち上げ後4ヶ月で、のべユーザー数は11万、平均セッション時間は2分10秒と成果は上々。ターゲット戦略が正しかったことが伺える。

また、旅行会社W社がこれまで抱えていた課題について、「SEOに強いキーワードを意識するとCVはよくても、アプローチできる見込み客の数が限定されていた。たとえば『ハワイに行って●●をしよう』と目的が決まっている見込み客は獲得できても、『ハワイに行きたいけど、向こうで何をしようか?』といったステータスの見込み客を取りこぼしていた」とT氏。

この状況を打破すべく意識したのは「潜在層の感情に訴えかけるマーケティング施策」だという。ライバルが多い旅行業界で価格勝負をしてもきりがないため、勝負の軸を意図的にずらしている。

「目的地ごとに旅行者をイメージし、現地で食べたいものや見たい世界遺産、イベントなど、旅行につながるキーワードを見つけ、サーチボリュームと照らし合わせてコンテンツを制作している。潜在層にささるコンテンツであれば、CVからは遠そうに見えるキーワードをベースに作っても構わない」(T氏)

見込み客の目的によってキーワードは異なる。たとえば「台湾 おすすめ」では具体的なコンテンツに落としにくいので、「台湾 九份への行き方」などコンテンツに落としやすいもの、ユーザーが求めているものをコンテンツ化することを心がけているという。「必ず売上が立つSEOに強いキーワード」「見込み客の気持ちに訴えかけるキーワード」の二軸からコンテンツを作っていることが、同社最大の強みといえるだろう。